ある日曜日、国際空港から今僕が住むエリアとは真逆の方向、東へバイクを走らせ1時間、友人に連れて行ってもらった、写真のクラマスビーチ。地図にも記載されていないスポットで、ハイシーズンには世界中のマニアなサーファー達が集う土臭くて手つかずのエリア、とても心地よい風が吹く最高のロケーションでした。芸術の村ウブド地区へもバイクで30分圏内、高速道路(バリ島にはハイウェイがありません)を彷彿させるかの様な、田舎の真ん中に続く広い道路を突き進むと到着。まだまだ田舎だなぁ、と思っていた僕の住む街、スミニャックエリアも大都会に思える空だった。愛媛県ほどの小さなバリ島、まだまだ未開拓エリアが広がり、この島の大きさ?自分の小ささ?を、感じる素晴らしい休日だった。
さて、いよいよ3月5日は『ニュピ』バリ島で迎える究極の休日?儀式?『一切の文明から自らを遮断し、静寂と闇の中で自分を見つめ、自然と原始に帰り、家族と共に過ごすバリ島の伝統文化。それがニュピ』いわゆるヒンドゥー教の暦で新年を迎えます。正月です。ならば明日は大晦日?以前にもブログで軽く触れましたが、5日の夜明けから6日の夜明けまで、全島民の外出が許されず、自宅で過ごし、火や電気も使わず、断食をして、静かに過ごします。道路も空港も閉鎖、ツーリストもホテルから出れません。とはいっても、最近では、部屋の光が外に漏れない様に前日から窓を新聞紙で覆ったり、こっそり食事したりと現地でも年に一度の家族行事の様に風化しているようですが。。。しかし熱心な、バリ・ヒンドゥー教徒は徹底しています。
Hari Raya = 断食の祝日、Nyepi = 静寂の日。
ニュピが近づくに連れてバリ島内では在住外国人の間で「ニュピはどうするの?」ってセリフを流行語?ってぐらい耳にします。仲のいい友人達(ニュピ経験者のバリ島ライフの先輩方)は、前日からバリ島を離れ、3つの小さな島が隣り合わせの、ギリ島の中にある、メノ島へと、パーティートリップするらしく、粋な計らいで僕にDJをさせようとプランを立ててくれたりと、ありがたいお誘いを頂き、正直さっきまで心揺らいでおりましたが、やはり自宅で過ごす事にしました。その決め手は、僕が住む部屋のオーナー夫妻との会話。今の自宅は最寄りビーチから徒歩15分ほど、そこで夫妻に訪ねた、「もしかしてニュピになると、波の音が部屋まで聞こえてくる、物静かさ?」すると夫妻は答えた、「何言ってるの?毎日夜明けになると、波の音は部屋まで聞こえるわよ!耳を澄ましてご覧なさい。」と、、、気がつかなかった、日常生活の中ですら、まだまだ感じ取る事が出来てない、音や空気、バリ島に吹く風がある。そして夫妻は言う「庭のプールにでも浮かんでご覧なさい、メノアイランドへ行くよりも、ずっと遠くに行けるわよ。」と、2人にうっすら笑われた。
もう一度考えてみた、島民全体で意識し作り込む24時間。その間に生まれる静寂の中でしか感じ取る事の出来ない何かが?。小鳥の囀りは、呟きにでも聴こえるのか?それとも大合唱?風の音?揺れる木の音?そして波の音?声?想像するだけで心地よい身震いが。こうなると、やっぱり断食もした方がいいのか?と、二日後に迫るニュピを直前にし、すでに初めての感覚が体中を掛け巡っている。
ハンディーレコーダー片手に、僕なりの『ニュピ』を過ごしてみる事にした。